和様の書 アートシーンとまとめ
新日曜美術館(NHK教育)
アートシーンで
「和様の書」展
が取り上げられていました。
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日本で独自の発展を遂げた書、
和様の書
数々の名品で
文字の美しさを味わう展覧会です。
和様の書の始まりとされるのが
平安時代の
小野道風(おのの とうふう)です。
国宝 円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書
平安時代・延長五年(927)
東京国立博物館蔵
和様の書とは
中国から伝わった漢字を
日本独特の
曲線的で柔らかみのある
文字で書いた書のこと。
これは中国風の書
徹翁義亨筆 虎林字号
南北朝時代・14世紀 東京国立博物館蔵
左の字、≪林≫を見てみます。
一画一画が力強く
直線的な印象です。
比較すると
中国風の書は重厚感がある一方
道風の書は流れるように軽妙です。
平安時代の雅な感覚に合った
叙情性溢れる文字です。
和様の書は
小野道風から100年経って
藤原行成(ふじわらの こうぜい)
によって大成されます。
国宝 白氏詩巻
平安時代・寛仁二年(1018)
東京国立博物館蔵
道風に憧れ、模範としていた
行成
端正で美しい文字を書きました。
右に傾くような筆使い。
折れ曲がる部分は
柔らかさに加えて 繊細です。
優雅な和様の書が
完成しました。
書はやがて
人々の生活に浸透していきます。
平安時代後期
末法思想が広がり
写経が盛んになりました。
下絵には
金泥や銀泥で
華やかな文様を描き
人々は書を通じて
功徳を得ようとしました。
国宝 竹生島経
平安時代・10世紀後半〜11世紀初
東京国立博物館蔵
そして
和歌が盛んになると
日本独自の文字
かな
が誕生します。
この本は
古今和歌集を完全に書き写した
最古の冊子です。
国宝 古今和歌集(元永本)
平安時代・元永二年(1120)
東京国立博物館蔵
雲母(うんも)を使った
雲母摺り(きらずり)で
孔雀の文様が表された
豪華な紙
文学と書、そして工芸の
コラボレーションです。
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ラストの焼き物は
尾形乾山の皿でしたね。
今はトーハク蔵の10枚が
展示中と思います。
三蹟の1人なのに
スルーされてしまった
藤原佐理。
時代的には
道風と行成の間です。
ついでに挙げておきます。(ヒドイいい様)
頭弁帖 10世紀 ふくやま美術館蔵
この方は官位は高くなく
お詫び状とか
言い訳手紙ばかり
残っているのだそうで
お気の毒ですが
それだけ字が上手い
という証明ですね。
この他、
光悦の赤壁賦(江戸時代・個人蔵)
なども
リズム感に富んでいて
とても心惹かれました。
また
古今和歌集については
伝・紀貫之の高野切 !
伝・藤原公任の修学院切!
本阿弥切に曼殊院本!
とクラクラするようなラインナップ!
まだまだ挙げればキリが無いほど。
工芸品も適度に配され
書に興味の無い方でも
楽しめると思います。
こんな素晴らしい機会を
作って下さった
東京国立博物館に
感謝であります〜〜〜
(375日目)