極上!「プレイタイム」by Tati
開催中
ジャック・タチ特集
を、見てきました。
6つのカテゴリーから
選んだのは
①の「プレイタイム」
タチといえば『ぼくの伯父さん』(1958年)。
その世界的大ヒットで
がっぽり儲けたお金をつぎ込み(←ヤラシィ表現f^_^;))
思う存分!
自由に!
天上天下唯我独尊!(←言い過ぎ)
制作した映画です。
「撮影日数345日、
総制作費15億フラン(=約1,093億円!)
資金不足による中断 6回
全編 70mm撮影の
超大作(124分)
であり、
タチを破産に追い込んだ
究極の野心作!」
(以上、パンフレットより抜粋)
と、聞いて
見ないわけにいきません。
破産も破産、
そのために、タチ自身の撮影した作品の権利まで手放すことになったのだから
究極です。
映画は
タチがパリ東部に建設した
近未来的都市
「タチ・ヴィル(タチの都市)」
からスタート。
太秦もビックリのすごいセット!
(と思いきや、、、!)
ここは何処?
というような
無機質な建物の中、
ごくごく少数の人間が
人間性を表すのは罪
とでもいうように
密やかに行き交います。
そして
時間の経過と共に
そこがエアポートであることが
わかります。
地方の小さな空港など
発着時間以外に訪れると
ゴーストタウンのような
錯覚に陥ることがあります。
そんなことを思い出して
上手いな〜〜〜と
のっけからカウンターパンチ❗️
そのフランス語満ちる
穏やかな空港に
突然乱入する
イングリッシュ❗️
喧しく喋べりながら
旅の興奮にどっぷり浸かった
アメリカからのご婦人の団体。
ところが
いるのですね〜〜
このようなツアーの中に
野に咲く一輪の百合
いえ、スズランのような
楚々とした美女。
しかし、この
スズランの花、バーバラは
意外と自由で
集団行動を乱します。
それがいかにも
現代っ子っぽい。
風貌も
パリジェンヌではなく
アメリカンガール(こ、こんな言い方?)
大筋としては
このバーバラと
「ぼくの伯父さん」ユロ氏が
出会い
心を通わせ
そして
別れて行く
という内容です。
場面としては
○空港
○ビル
○ナイトクラブ
と、大まかに分けられると思います。
場面が変わる毎に
クスクス笑いが大きくなって
ナイトクラブの場面は
ゲラゲラと大笑い!
劇場で声を出して笑ったのなんて
ムトゥ以来です😂
これは本当に
見ないと伝わらない面白さ❗️❗️
どんなにスラップスティックになっても
品格が保たれているのが
ハリウッドとは違う
気がします。
そして
ナイトクラブの
喧騒と極彩色に
ジャン・ルノワール監督の
「フレンチ・カンカン」
を思い出していました。
こういう場面に
人生を織り込められる
フランス文化のエスプリ、
奥の深さ
に感服しました。
この映画に
人間讃歌
人生に対する信頼
を感じたのは
もしかして
揶揄したアメリカから
オスカーを貰った
体験が影響しているのか?
と推測するのは
浅はかかもしれません。
でも
タチというフランスと
バーバラというアメリカは
共に
素敵な時間を過ごしました。
時にアメリカ的合理主義を
皮肉りつつも
(日本人も皮肉られていますf^_^;))
見終わって
気持ちが満たされるのは
人生讃歌に
なっているからではないでしょうか。
最後に象徴的に出てくる
スズランは
ヨーロッパでは
愛する人に
幸福を願って贈られる花です。
硝子に映るサクレクール寺院や
エッフェル塔
朝焼けのパリ
映像の工夫も素晴らしい。
大笑いして
幸福感に酔いしれる
本当に本当の傑作です。
渋谷 イメージフォーラム
HPをご参照のうえ
是非!
尚、大好評!
満席が続き
6月に再上映が決定❗️
これは嬉しい❗️
また来月もタチに会いに行こう❗️❗️
(100日目)