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美術館・博物館・ギャラリーを巡って感じたことや、日常で見つけた好きなことを記録しています。
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ファンデー・西洋美術館 ②

6月14日 日曜日

国立西洋美術館(上野)
ファン・デー

に、行ってきました。


ファン・デーでは
常設展が無料開放となります。

企画展の熱を冷ましたり

自分を取り戻すために

足を運ぶことの多い常設展。

どうしても
自分の好みに偏った鑑賞に
なりがちです。

そこで今回は

いつもさらっと流してしまう
2Fの「近代以前」の美術を集めた
コーナー

その中の

一枚を、じっくりと鑑賞しよう

と、思い実行しました。


幾つか迷いましたが

ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_1319255.jpg

ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13192662.jpg



これに決めました。

樫の森の道
ヤーコプ・ファン・ロイスダール
17世紀(制作年不明)文化庁より管理替え
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13192758.jpg


ロイスダールといえば

オランダの
干拓によって開けた国土を
数多く描いた画家。

平坦な大地に
大きく広がる空と
そこに湧き出る
ドラマチックな雲の風景

広々とした空間表現が
魅力的です。

しかし

この絵は
どちらかというと
暗くて狭い、風景画。

ロイスダールらしくないな、
と思いつつも

じっと見ていますと

だんだんと
暗闇に目が慣れるように

色々なものが見えて来て

とても面白い!

スポットライトが当たったような
樫の木、その樹皮の剥げた幹の表現
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13192830.jpg



森の向こうの田園に聳える風車の細やかな描写
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13192810.jpg



そして一見静かに見える絵画に
たくさんの生命があります。

もうもうと立ち上り、道の方までたなびく煙、その火を起す2人の人物、連れてきた犬(?猫?)
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_1319295.jpg


煙の傾斜から
相当に風の強いことが
分かります。

森はざわざわと
音に溢れていたことでしょう

激しい風に流れる雲

その風に抗って舞う鳥たち
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193089.jpg


表題の樫の森の道を行く一組の親子
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193135.jpg
道に射す陽光と影を、人生に重ねて見るのは穿ち過ぎでしょうか。



空と梢の描写はやはり抜群です。
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193217.jpg
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193917.jpg




長い時間、独占してしまって
他の鑑賞者の方には
ご迷惑おかけしました。m(_ _)m
そっとしておいて下さり、ありがとうございました。



一枚の絵をじっくりと見ることで

絵の中の風景をより深く味わい

画家の視線を感じ

ただ「受動的」に見るのではなく

「能動的」に感じる
心情的に「体験する」

ことができた気がします。

とても面白かったです。

そしてそれは

「時間を大切に扱う」

ことにつながるのではないかと、、、。


去り際にもう一度
シャッターを切りました。
自分しか分からないけれど
微妙に最初と違います。
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193319.jpg



merci...


(1034日目)

ご覧下さり、ありがとうございます。あなたに穏やかな時間がたっぷりありますように💖



その日の夜に

NHK教育のTEDの再放送を見ました。
ノルウェーでスローテレビが成功、という話題。(プレゼンとしては⁇)
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193771.jpg



暖炉の火を何時間もただ映すだけ、
とか
羊からセーターができるまでとか
(編み物をしている様子を延々と流す)

そんなユルい内容が高視聴率を記録したそうです。

そこでまさに西美で体感したことと
リンクする解説がありました。

船旅をリアルタイムで中継した放送の一場面。
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193496.jpg


本来なら編集して、まもなく別のシーンを入れたいところ。

生中継なので延々10分くらい、この映像が流れる。

すると、視聴者は画面の中に色んなものを見つけ始め、ストーリーを作り出すのだ、と。
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193579.jpg

ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193662.jpg

ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193649.jpg



ナビゲーターの伊藤穰さんは
私たちはいつも目的地への到着を急ぐけれど、途中を楽しむことも大切。それは「いま」をどれだけ楽しめるか?ということ
と、解説されていました。

それと共に
この日、西美で気付いたように

情報のインプットの洪水の中で
脳が主体性も持つ隙間が
スローテレビにはある

だから
面白さを感じる
のではないかと思いました。


そんな事を感じてから

家までのいつもの帰り道
ふと、立ち止まって
樹々を見上げ

意識的に「いま」を感じてみました。


暮れなずむ空に
糸のように
細い影がやって来て

季節を教えてくれました。
ファンデー・西洋美術館 ②_e0295455_13193835.jpg




画像はNHK教育「スーパープレゼンテーション TED」6月15日放送よりお借りしました。
by abby819lucky | 2015-06-18 06:43 | 国立西洋美術館