「わたしが子どもだったころ」 岩波書店
小学生のころ
大好きだったケストナー。
ふたりのロッテや
エーミール
飛ぶ教室……u.s.w
夢中になった
最後に手にとったのが
「わたしが子どもだったころ」
ケースから本を取り出して
男の子の写真を見て
ビックリした!
ケストナーをずっと
女の人だと思っていたのと
男の人が「わたし」
と自分を呼んでいるから。
(原題は
「Als ich ein kleiner Junge war」
なので、翻訳者の日本語に驚いてたわけだがσ(^_^;) )
で、
読み始めてすぐ挫折。
子どもには
どうも「わたし」に違和感が拭えなかったのと
挿絵がいつものトリアーでなかったから。
その読み損ないを
ようやく読了。
購入は一昨年の丸の内丸善内
松丸本舗
気にはなっていたけれど
あまり親しくなかったクラスメイトに
ばったり再会して
一気に打ち解けたような感じ。
家で積ん読状態が長かったのは
勿体つけて少しずつよんだから。
今日、やっと読了。
素晴らしく良い本でした。
ケストナーの善良で不屈な精神の土壌が育まれた環境を知ることが出来たし、
平易な言葉で過去を語りながらも
ケストナーの時代を読みとく目の確かさと、真理から目をそらさない気高さをひしひしと感じた。
ときに怒りを抑え、
ときに慟哭しながら
子ども時代を
懐かしむのではなく、
子どもの目線に戻って
生き生きとした日常を映し出している。
そこに
共感したり
驚いたりしながら
善き心を持って生きようと思わせてくれる。
ところどころに
心に響く言葉がある。
今見ると
レムケの挿絵もなかなか捨てがたい。
ケストナーは思い出には
いつもそばにおいておくものと
時折取り出すクリスマスのモミノキのようなものと二種類ある
と書いているが
この本は
手元に置いて
わたしを慰め、励まし
時に叱ってくれる存在に
なってくれそうである。
(149日目)