夢のラファエロ展 第Ⅳ部
ローマで若手を中心に50人もの弟子を抱え、適材適所で膨大な注文をこなしていったラファエロ。
彼の死後、マントヴァの宮廷画家となったジュリオ・ロマーノを筆頭に弟子たちが引き継いでいった工房の運営方法は、やがて17世紀の大工房へと発展していきます。
また、それまで下絵でしかなかった素描を版画として大量に生産し、結果、ヨーロッパ中に流布した事によって、素描に新たな価値を与えたのもラファエロの功績の一つです。
それによってラファエロの絵は、図案として工芸にも広く浸透していくことになります。その一端を示すセクションです。
配置図
45.女性の肖像(ラ・フォルナリーナ)
セバスティアーノ・デル・ピオンボ
1512
ラファエロの描くフォルナリーナとは
若干違いますね。
痘痕も笑窪ってことでしょうか。イタリアでも。笑。
このセクションでは、とても可愛らしさを感じる一枚でありました。
46.聖家族 1512頃
ジュリオ・ロマーノに帰属
47.聖母子 1520-22
ジュリオ・ロマーノ
ラファエロとは比べるべくもないですが、颯爽とした聖母の雰囲気が素敵です。
48. ピエトロ・アッコルティ枢機卿の
肖像 1500-20頃
バルダッサーレ・ペルッツィ
目がいいです。
51.カルヴァリオの丘への道行き
ポリドーロ・ダ・カラヴァッジョ
1531-32頃
52.聖母子と幼い洗礼者ヨハネ
ジローラモ・デッラ・ロッビア
1510-15頃
50.カピトリヌス丘にユピテル神殿を建設するタルクィニウス・プリスクス(もしくは、タルクィニウス・プリスクスと卜占官アトゥス・ナウィウス)
1519頃
ペリン・デル・ヴァーガ
三点まとまっての展示
53.「十字架降下」の表されたカメオのペンダント 北イタリアの彫玉師 16世紀前半
54.アポロとマルシュアス 1540-50頃 ジョヴァンニ・ダ・カステルボロニェーゼ
55.「カルヴァリオの丘への道行き」の表されたメダイヨン
ヴァレリオ・ベッリ
56.「アテナイの学堂」の描かれた杯
ファエンツァ製「ベルガンティーニの杯」の工匠 1524?
裏もかわいいです。
61.「ボルゴの火災」の描かれた皿 ウルビーノ窯、フォンターナ工房 1560-70頃
二点並んでの展示
57.嬰児虐殺 1513-15
マルカントニオ・ライモンディ
58.↑の描かれた皿 1566 ウルビーノ窯
二点並んでの展示
59.ガラテイアの凱旋 1515-16
マルコ・コンデ
60.↑の描かれた水盤 1550-75頃 ウルビーノ窯、フォンターナ工房
49.聖母子 1520年代
ペリン・デル・ヴァーガ
しなやかな手の描写にラファエロの影響がみてとれるそうです。
聖母にしては装身具を多く纏っていることから、その様な職人のための聖母子像とも考えられるそうです。
これで展示は終わりです。
もう一回、ラファエロを観たくて
逆走しました。苦笑。
イタリアに行きたしと思へど
イタリアはあまりに遠し
な私です。
もう、二度と観られないかもしれない
ホンモノの前にもう一度。
幸せなひとときでした。
(283日目)