「川合玉堂 展」山種美術館 その1
アルファベットはガラスケース。
記憶の許す範囲で
展示順に記述します。
表題前のNo.は
図録の番号です。
また玉堂以外の作品のみ
作者を明記します。
所蔵先は山種美術館以外の
場合のみ記します。
※川合玉堂の生年は1873年。
第1章 研鑽の時代
会場図 a
1〜9 ガラスケース内
1888〜1897頃 玉堂美術館
写生画巻
写生帖
同人誌
若いながら確かな才能を感じさせる
写生の数々。
この桜の写生は
昔から好きだつたので
懐かしさに胸が震えました。
展示に感謝です。
<会場図 ①>
10.鵜飼 1895年
第4回内国勧業博覧会で3等賞を受賞した初期の代表作。
幼少期を岐阜で育った玉堂にとって
鵜飼 は特別な意味をもつ画題だったのではないでしょうか。
この絵の受賞によって橋本雅邦を知る訳ですから、運命的な作品と言えるかもしれません。
崖や樹木は四条円山派に則った筆致で描かれていますが、
手前の鵜飼には、若い画家の意気込みが込められた躍動感が溢れています。
私は右下の篝火の煙がもや〜っとしているところが好きです。
鵜飼の絵は、会場にあと二点あります。見比べるのも面白いです。
13.渓山秋趣 1906年
16.雨江帰漁 1912年(前期のみ)
雨に霞む水辺の風景が
素晴らしいです。
何時間でも見ていられそう。
三人の漁師の様子が
絵に温かみを添えているように感じます。
15.瀑布 1909年 玉堂美術館
17.行く春 小下図 玉堂美術館
長瀞を旅したあとに描かれた作品の下図。
キャプション
参考・完成図 重要文化財
22.竹生嶋山 1928年
川合玉堂は、その場所をテーマに描く時は必ず現地へ足を運んだそうです。
この絵は、船からスケッチしたのでしょう。
21.悠紀地方風俗・風 小下図
1928年 玉堂美術館
キャプション
右隻には
春 伊吹山
夏 竹生島
左隻には
秋 瀬田の唐橋
冬 比良の山
瀬田の唐橋には
自転車に乗っている人がいます。
完成作品は
宮内庁三の丸尚蔵館 所蔵。
23.石楠花 1930年
白の顔料をフライパンで焼いて
キラキラさせているそうです。
みえるかな?
<会場図 ②>
14.二日月 1907年 東京国立近代美術館
(前期のみ)
86.4 × 139.0
大きな作品です。
東京勧業博覧会で一等賞を受賞。
「没骨法と皴法を用いて四条派と狩野派の融合を試み、加えて近代的な写実表現にも迫ろうとしている」
と、解説にはあります。
輸入顔料も積極的に試していた玉堂は
上空の青と
夕焼けの赤
に輸入化学顔料を用いました。
発表当時は大変美しく、絶賛されたそうですが、
後年、変色し、非常に落胆された
そうです。
それでも
この風景が
長野県の小諸の下流の風景
と聞けば
また馴染みの地名に胸が高鳴ります。
薄暮の川辺。
そのせせらぎに耳をすませれば
そこはかとない旅愁が去来し、
ふとふり仰げば
絹のように細い二日月。
吸い込まれそうな
夕暮れの風景に酔って見ましょう。
18.紅白梅 1919年 玉堂美術館
こちらも私には、懐かしい作品。
光琳の紅白梅図屏風
を、意識していることは間違いない、
と、館長。
中央に立って
根元の目線で見ると
遠近感というか、
奥行が感じられてユニークです。
館長さんが
ぜひ、可愛らしいシジュウカラを
クローズアップして、
と仰るので、パチリ。
上手く撮れたかな?
斜めから見ても
面白いです。
後ろ向きの梅も、可愛いです。
梅の季節が待ち遠しくなっちゃいました。
(311日目)
※内覧会のため、特別に許可を得て撮影しています。