「川合玉堂 展」山種美術館 その3
19.柳蔭閑話図 1922年 個人蔵
(前期のみ)
黄土色が印象的なこの絵は
滅多に貸し出されないそうです。
感謝感謝!
大倉(ホテル)喜七郎さんの所蔵だそうです。
玉堂にしては珍しく
海外・韓国の風景。
1922年に朝鮮総督府主催の
朝鮮美術博覧会の審査員として
朝鮮半島を訪れた川合玉堂。
その体験を元に
描かれた朝鮮風俗。
1930年にはローマの展覧会にも出品されているのだとか。
薄い雁皮紙の裏から金箔を貼り、
強度と風合いを持たせている
と、専門家は推察しているのだそうです。
独特な地色が味わい深いです。
画面を横切るカササギは
観覧者の方によると
韓国や
日本の九州北部では
縁起の良い鳥として大切にされているのだそうです。
そんなこの絵は
⑤の壁の1番右手にあります。
(③の壁に1番近いところです)
その他の⑤の作品。
35.春風春水 1940年
玉堂の作品は題名が素敵ですね。
水の色がなんとも言えません。
42.荒海 1944年
大変迫力があります。
穏やかな作品が多い中、
良いアクセントに。
とはいえ。
こちらは戦時特別美術展に
出品された作品。
戦闘場面を描かずに
荒々しい波をもってきたところが
玉堂らしい、と館長の解説でした。
41.山雨一過 1943年
水彩のように瑞々しい作品。
雨後に冴える緑が鮮やかで
深呼吸したくなるようです。
45.朝晴 1946年
38.雪志末久湖畔 1942年
絹本・墨画淡彩
志末久=しまく、と読み
風巻く=激しい風 を表すそうです。
37.烟雨 1941年
雨にけぶる大気が
なんとも言えません。
44.渓村春靄 1945年頃
竹の秋、色遣いが見事です。
46.渓雨紅樹 1946年
珍しく赤が効いている作品です。
が、中央下の水車にご注目。
晩年は、自宅の庭に設置するほど
水車を好きだったそうです。
<会場図・⑦>
43.早乙女 1945年
本展のポスターにもなっている
作品。
「たらし込みや掘り塗りなどの
古典的な技法も駆使しつつ
近代的な俯瞰構図で構成された
快作」
との解説です。
砥粉色、というんでしょうか。
もう少し黄色がかっていますか、
田んぼの地の色が
早乙女の衣装の黒を引き立てて
素敵だなぁ、と思います。
<会場図・C>
すみません。
このガラスケース内、
映しておりません。
目録で
参考出品となっているものが
ここにあったと思います。
葬儀の帰りに
琵琶湖辺りをテーマに作られた
スケッチや
短歌、俳句
「加茂女十三首」や
山﨑種二宛ての書簡など
です。
会場図⑥へと続きます。
(313日目)
※内覧会のため、特別に許可を得て撮影しています。