「ぼくの伯父さんの休暇」by タチ
開催中
ジャック・タチ特集
カテゴリー⑥
を見てきました。(5/2.fri.)
⑥の3本目は
「ぼくの伯父さんの休暇」
1953年/白黒/89分/
監督・脚本 ジャック・タチ
出演 ジャック・タチ、ナタリー・パスコー、ルイ・ペロー、ミシェル・ローラほか
日本語字幕 柴田香代子
タチの長編2作目。
タチは後々まで
何度も
この作品に手を入れていたそうです。
今回の上映フィルムは
78年版を基に修復されています。
一般にもバカンスを楽しむ風習が
広まった世相を反映し
夏の休暇を
海辺で過ごす
ユロ氏、
その巻き起こす騒動を
描いた作品。
この作品にて
「ユロ氏」のキャラクターが
確立したそうです。
オープニング
リゾートへ向かう客たちで
大混雑の駅
タチの観察眼が光る描写の中
人混みにユロ氏を探すが
見当たりません。
と、場面は変わって
海辺へ向かう車を追います。
スポーツカーが
ビュンビュン飛ばし
路上で寝転ぶ犬も
飛び起きて避ける始末
と、
そこにやや年季の入った車が
沢山の荷物を積んで
ガタゴトと走って来ます。
これには
路上の犬も動かない
ここでもう、
ユロ氏を想像して
劇場はクスクス笑いの渦
海辺のホテルの
可愛いペンションの
リビングみたいなラウンジで
穏やかな時間が流れるなか
強い浜風と共にユロ氏の登場
まさしく
ユロ氏が騒動を携えてやって来た!
と、暗示する演出に
大笑い。
釣りやテニス、乗馬にピクニック
そして仮面舞踏会まで
滞在中の楽しみを
全て騒動にしてしまうユロ氏
でも、何故か憎まれず
バカンスの終わりには
皆に別れを惜しまれる、
のは
タチの笑いの演出の功
近くに帰省した
マドンナも
同年代の男の子より
ユロ氏が気になってしまう
祭りのクライマックスと
そのあとの寂しさまでも
爽やかにまとめ上げて
大団円
正直な感想を言いますと
①の「プレイタイム」
の要素が全てここにあります。
そして14年のキャリアの差が
歴然としています。
これは
私がプレイタイムに熱狂し過ぎているせいもあるかもしれませんが、、、
初期の天才の片鱗を
存分に楽しめる作品です!
見ると、海のリゾートへ
行きたくなること請け合いです。
唯一、ラジオしかない
リゾートで
長いバカンス。
ユロ氏がいたら
絶対飽きないですね。
な〜んか、登場人物たちが
すごく羨ましくなりました。
(103日目)