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『バベットの晩餐会』で仏食を語る。B&B ①

古い映画です。
『バベットの晩餐会』

本作のデジタルリマスター版
公開記念のイベントが
下北沢の本屋B&Bで
開催されました。
≪公開記念トーク≫
猫沢エミ×月永理絵
「食と映画のふしぎな関係」

イベント詳細はこちら
http://bookandbeer.com/event/20160409b_bt/


ということで、
憧れの書店 B&B
初体験でした!

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映画≪バベットの晩餐会≫
1987年 デンマーク映画/1989年 日本公開

『19世紀後半、デンマークの寒村で
教会を守る老姉妹の女中バベットが
ふとしたきっかけで豪華な晩餐会を開く』

平たくいうと
こんな映画です。

たった三行で内容を表せる。
これ、名作の条件。(←乱暴?笑)
「ふとしたきっかけ」を「宝クジの当せん金」と言い換えると、全ネタバレですね💦

104分の上映時間の中では
晩餐会が後半のクライマックスになるのですが
前半では
バベットがパリから流れ着いた理由や
老姉妹の若き日の悲恋などが
北の大地を背景に描かれます。

例えば、ハンマースホイの絵画世界を
彷彿させる質素な生活の情景は
電気のない時代と相俟って
磨かれた銅なべや
レースの付け襟など
隅々まで手仕事が行き渡っていて
清々しいです。


そんな『バベットの晩餐会』を
人生の中で折に触れ見てきたという
猫沢エミさん。

ご自身、フランスに長年住まわれ
最近は日本を拠点としながらも
年に何度もフランスへ行かれるという
フランス通。
フランスの空気が
肌に染み込んでいるからこその視点から
食にまつわる大変面白いお話が聞けました。

映画の後半、
バベットは
パリの『カフェ・アングレ』のグランシェフ
であったことが明かされます。

カフェ・アングレのアングレとは
イギリスのこと。

このお店は実在したもので
イタリア大通りにあったそうです。
(猫沢エミさんの話振りでいくと「どういうこっちゃ!」で場内爆笑。終始、軽妙なトークに笑いが絶えませんでした。)
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カフェ・アングレは後にトゥールダルジャンと経営統合したそうです。

1802年の創業時には、庶民的で、付近のテアトルの俳優たちが多く通った店だったそうですが、天才シェフ、アンドレ・デュググレの登場で、高級化。当時からワインは最高級のものを扱い特に有名だったそうです。

バベットの晩餐会でも
ワインは重要な存在です。
ここで猫沢エミさんが
実際にブルゴーニュの
ロマネ・コンティのシャトーを取材した話。

ぶどう畑は、柵などで区切らなくても
品種が全て把握され
過剰な保護をしなくても盗む人なんていない。

一本100万円のロマネ・コンティを買うには
それと共に畑の他の収穫何ダース(←正確なところ忘れました。膨大な量だった)を購入すること。
その品質を保持するカーヴを所有し、最高の状態で提供出来ること。
つまり、「高価な物を買う」というのではなく
ワインという産業そのものを支えることなのだ、と。
こういうところにフランス人の自国文化に対する誇りを感じるとのこと。
同感です。

猫沢エミさんによれば
当時であってもグランシェフというのは
相当になるのが大変。
まして女性ならなおさら。

そこで猫沢さん、
バベットの色々なシーンを挙げて
恐らくバベットは
貧しい暮らしを知っているのだろう。
最低も最高も両方知っている。
だからこそレンジの広いクリエイションが出来るのでは。
と、仰っていました。

そして、これは
最下層から国王の料理人まで上り詰めた
アントナン・カーレムの人生と
重なる。
とのこと。

そして、こちらも小説のような
カーレムの生涯を紹介。

カーレムという人、
以前フランス料理の歴史を紐解くドキュメンタリーで、「これもカーレム?」「え、これも?」
と、ウンザリする(←失礼しました~_~;)位、出て来た人で、今日のフランス料理の原型を築いた人物。ソースからコース、服飾などまでこの人の手によるものです。料理全書も何冊か著し、今も受け継がれるレシピが多数。そんな膨大な仕事を残しながら48歳で他界。
猫沢エミさん曰く、当時は調理に石炭を使用したため、料理人はみな肺をやられて短命だったのだとか。

このカーレムの逸話で語られるものの一つに、300人の野外パーティーがあるそうです。冷蔵庫などない時代、氷屋を引き連れた想像を超える大イベント。猫沢エミさん、いかに大変だったかを、見て来たように熱弁!

そしてこの逸話も、パリから豪華な食材を取り寄せるバベットの晩餐会の下敷きになっているところがあるのでは、と猫沢エミさん。

なるほど、なんか納得します。

また猫沢エミさんの熱弁が冴えたのが
予算の話。笑。
バベットは晩餐会の費用として
💰1万フラン💰
使った、と言います。
(↑この時のバベットの誇らしげな表情が素晴らしいとのこと✨)

金額を現代の価値に換算したそうです。
日本円で310万円。
1800年代末の日本では
家一軒が18万円で買えた。
現在の家一軒を幾らに設定するかによりますが
億は下らない、と。

ほ〜〜〜〜〜っっっ
12人の食事に💰億💰!
ためいき。

猫沢エミさんのお話は
とても面白いながら
示唆に富む見解で締められました。

あのバベットの料理には
寒村のプロテスタントの質素な料理からは
計り知ることのできないことが
描かれている。

それは
生きた海亀や
羽毛のついたままの鶉
牛の頭部など
生命をいただいて
生命を繋いでいく
人間も食物連鎖の一部なのだ
という事実。
そういう存在でしかない、ということを
謙虚に受け止めることを
教えてくれる。
と。


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by abby819lucky | 2016-04-11 22:00 | 映画